敷地の2.5mの高低差を利用し、山留を兼用したコンクリート製のビルトインガレージの上に、南北の長さ23.5mあまりの細長いヴォリュームを置いたイメージから構成。北側道路からは平屋建て、南側道路からは２階建てに見えます。北側に位置する３階建ての賃貸マンションから見下ろされる視線を避けるため、23.5mあまりの細長いヴォリュームの中に大小２つの中庭を挿入し、開放感とプライバシー保護を両立しています。

LDK空間の中に1m程の高低差を持たせ、居心地の良いコ−ナーになった低い位置にあるリンビングは3.5mの高天井。ダイニング・キッチンは2.5mの一般的な天井の高さとし、視線の変化が愉しめる空間構成になっています。東西の黒く低いヴォリュームには、玄関・水廻りなどの機能空間が配置され、南北の長い距離の移動は個室間の移動、東西の短い距離の移動はトイレ・家事動線とすることで、家族の心理的距離感の調整と、効率化の両立を図っています。